Ryusuke Nomotoユーザ理解のためのインタビュープロダクトマネジメントにおいて最も難しいと感じているのが、ユーザを理解することです。自身がユーザである場合を除き、大半のケースはマーケットにどんなユーザがいてどんなことに困っているのかが分かりません。このユーザ理解を間違えたまま開発を進めてしまうと意味のないものを作ってしまうことになります。ユーザ及びユーザの課題をどれだけ解像度高く理解することができるかがプロダクトの成功につながると思います。今回はユーザを理解する手法の1つであるインタビューについてまとめてみました。
前提:市場選定とユーザ理解は大切だが、市場がない場合もあるマーケットを見極め、そこにいるユーザに対してプロダクトを投入するので、ユーザ理解のための調査は非常に大切です。しかし一方で、まだマーケットが存在せず、そのプロダクトによってマーケットが生み出される場合もあります。市場調査やユーザ調査は、市場やユーザが存在する(あるいは顕在化している)場合にのみ意味があります。これ以降の話は、すでに市場やユーザが存在しているケースに対するものです。
調査の流れターゲットユーザについて仮説を立てるユーザを知るインタビュー(定性調査)プロダクトについての仮説を立てるプロダクトについてのインタビュー(定性調査)(精度が高まった)プロダクトの仮説市場規模を裏付けるアンケート(定量調査)
ダブルダイヤモンド出典:wikipediaダブルダイヤモンドは、問題の定義と解決策の定義それぞれに収束と発散を行う問題解決手法です。ユーザインタビューの文脈においては、ユーザ理解のためのインタビューとプロダクトについてのインタビューを行うことを示します。前半のダイヤモンドでユーザについて理解し、後半のダイヤモンドでプロダクトの妥当性について判断します。
ユーザインタビューの内容インタビューでは主に次のようなことを聞いていきます。 現在はxx(課題)をどうやって行っていますか?最後にあなたがそのxxに直面したタイミングと状況を教えてください課題に直面した状況について詳細にヒアリングxxを解決するためにしたことがあれば教えてくださいどんな代替案で課題解決しているかこれまで試した解決策で気に入らなかった点はなんですか?代替案にはどんな問題があるかもしドラえもんがここにいて、ひみつ道具でなんでもしてくれるとしたら、xxに対してどんなことをしてほしいですか?ユーザにとっての理想の状態はなにか私が知っておくべきことは他にありますか?質問できなかった重要な観点がないか
1. ユーザは自分の欲しいものを知らないユーザが抱えている課題を本質的に理解していることは稀です。よって次のような質問でユーザの本当の課題を見極める必要があります。どうして、その機能が必要ですか?どんなときに、その課題を感じますか?
2. ユーザは「No」とは言わない特にインタビューの謝礼を払っている場合など、ユーザはインタビュアーに対して否定的なことを言いづらくなってしまいます。次のような質問で、プロダクトに本当に価値があるか試す必要があります。このプロダクトを利用するシーンで今はどのようにしていますか?このプロダクトをxx円で購入しますか?
知ったかぶりをしない言葉の定義などがずれていることが往々にしてあるので、必ずユーザと認識を揃えます。「朝早く起きます」何時ですか?顧客から電話がかかってくるのが苦痛ですそれはどれくらいの頻度?いつ?どんな内容?課題はDXですDXってなんですか? 自分自身まだまだ道半ばで、きちんとユーザインタビューできていると全く思っていません。また、形式的なインタビューだけでなく常日頃からアンテナを高く張っておくことも重要だと思います。積極的に外に出てユーザと交流し普段からユーザを理解することが、なにより重要だと感じています。